霊柩車

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    とある仕事の現場に向かって車を走らせていました。

    運転していたのは私、助手席にはSE会社の社長を乗せ、とある機器の設定に行くところでした。

    山道に入ると前方に、黒塗りのベルファイアがノロノロ走っていました。

    緑ナンバーでタクシーのような行灯を付けていないので『あ、なるほど』と悟りました。

    というのもその山道を頂上まで登ると火葬場があるからなんです。

    私が幼かった頃は霊柩車といえばキンキラキンの神殿造りのものが主流でしたが時代の流れというか今は目立たない車が多いですが、それでもリムジンとかの高級車が多いので、ベルファイアも決して安い車ではないですが、なんとなく違和感がありました。

    それにしても、ひどく速度が遅い。

    坂道も急だし、最近は棺桶に釘を打たないのでそろ〜り走っているのかな?あんまり急がれても嫌なので御遺族を気遣っているのかな?と、あんまり距離を詰めるのも嫌なので、ある程度距離を置いて、こちらもゆっくり付いて行きました。

    やがて現場に到着しました。

    実はそこで道が二手に分かれているのです。

    左の坂を登って行けば火葬場、右に登ると民家が三軒ほどあって行き止まりです。

    すると、その車は右のほうに登って行きました。

    今時、自宅葬でもしとるんじゃろか?と思いながらも、こちらはこちらで作業の準備に取りかかっていました。

    ふと、右の道の上の方を見ると、さっきのベルファイアが止まって、、、というか、上の方はかなり道が狭小なので詰まった感じになってます。

    バックギア入れたりブレーキ踏んだりして、かなり手こずっている感じ。

    まさかとは思うが。。。と、それでも仕事があるので作業を進めていると、10分ほどしてベルファイアが戻ってきました。

    運転手が下りてきて、『すみませーん』と声をかけてきたので、嫌な予感がしながらも『何でしょうか?』と応えると、

    火葬場はどっちに行けば良いんでしょうか?


    マヂか!Σ( ̄□ ̄)!

    よく見ると運転手もタクシー会社のようなキッチリした服装ではなくジャージっぽい感じ。
    助手席には遺影らしきものがあったので、それに間違いはないようですが、ふと、最近よく目にする安いお葬式が頭をよぎりました。

    そうか。。。ということはこの霊柩車、よその地域から来たのかな。
    ベルファイアで違和感を覚えたのもそのためか。。。と、全てを悟った気がしました。

    たぶん、後続の車も無かったので身寄りの無い人なんでしょうねぇ。

    それにしても最後の最後に迷われたら、無事に成仏できるんじゃろか?と思った出来事でした。


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